はじめに
自作PCでは、高価なCPUクーラーやケースファンへの交換が冷却性能向上の近道だと思われがちです。
しかし、意外と見落とされているのがBIOSのファンカーブ設定です。
今回は、ASRockマザーボードのBIOSでCPUファンとケースファンの設定を見直した結果、CPUクーラーやケースファンを交換することなく、ケース内温度を改善できました。
使用したPCは次の構成です。
- CPU:AMD Ryzen 9 7900
- GPU:GeForce RTX 5070
- ケース:Fractal Design Define 7 Compact
- システムSSD:Crucial P510 2TB(PCIe Gen5)
- マザーボード:ASRock
冷却で困っていたこと
以前から気になっていたのは、CPUではなくケース内全体の温度でした。
特に
- SSD温度:約50℃
- マザーボード温度:約47℃
- GPU周辺温度:約48℃
となっており、CPUは問題なくてもケース内の熱だまりが気になっていました。
さらに、CPUファンは約2500rpmまで回転しており、静音性も改善したい状況でした。
BIOSで見直したこと
今回変更したのはファンカーブのみです。
CPUファン
| CPU温度 | 回転率 |
|---|---|
| 40℃ | 30% |
| 50℃ | 40% |
| 60℃ | 55% |
| 70℃ | 70% |
| 80℃ | 100% |
急激に回転数を上げるのではなく、温度に応じて滑らかに増加するよう設定しました。
前面ケースファン(吸気)
| CPU温度 | 回転率 |
| 35℃ | 40% |
| 45℃ | 50% |
| 55℃ | 65% |
| 65℃ | 80% |
| 80℃ | 100% |
SSDやGPU周辺へ新鮮な空気を送り込むことを重視しています。
背面ケースファン(排気)
| CPU温度 | 回転率 |
| 35℃ | 30% |
| 45℃ | 40% |
| 55℃ | 55% |
| 65℃ | 70% |
| 80℃ | 100% |
吸気より少し控えめに設定し、ケース内をわずかに正圧にしています。
結果
室温約27℃で比較すると次のようになりました。
| 項目 | 調整前 | 調整後 |
| CPU温度 | 62~65℃ | 65℃ |
| CPUファン | 約2550rpm | 約1900rpm |
| マザーボード | 47℃ | 43℃ |
| SSD | 50℃ | 47℃ |
CPU温度はほぼ変わらない一方、
- CPUファン回転数の低下
- マザーボード温度4℃低下
- SSD温度3℃低下
という結果になりました。
なぜ効果があったのか
CPUだけを冷やすのではなく、
ケース全体のエアフローを見直したことが大きな理由です。
Define 7 Compactは静音性を重視したケースのため、吸気と排気のバランスが重要になります。
今回は
- 前面吸気を少し強め
- 背面排気を少し控えめ
に設定したことで、ケース内に新鮮な空気が流れやすくなりました。
これから行うこと
現在、Arduino NanoとNTCサーミスタを使った8点温度監視システムを製作しています。
今後は
- CPU周辺
- GPU周辺
- SSD周辺
- ケース内温度
- 室温
を同時に記録し、BIOS設定やファン増設の効果を数値で評価する予定です。
感覚ではなく、実測データで冷却性能を評価することが今回の目的です。
まとめ
PC冷却というと、高価なCPUクーラーやケースファンを購入したくなります。
しかし、今回の検証ではBIOSのファンカーブを最適化するだけで、ケース内温度を改善できました。
特に、
- CPUファンを無駄に高速回転させない
- 吸気と排気のバランスを整える
この2点だけでも十分な効果が得られました。
これから自作PCの冷却改善を考えている方は、新しい部品を購入する前に、一度BIOSのファン設定を見直してみることをおすすめします。
