~品質保証の考え方で原因を追究した記録~
ある日、久しぶりにWindows 10のPCを起動すると、突然起動しなくなりました。
画面には
「Windowsが正しく読み込まれませんでした」
と表示され、自動修復も失敗。
「SSDが壊れたのか?」
最初はそう思いました。
しかし、品質保証の仕事では思い込みで部品交換をしてはいけません。
まずは事実を集め、仮説を立て、一つずつ検証していきます。
① 発生した現象
【写真1】
Windows回復画面
- 自動修復失敗
- Windowsが起動しない
ここでSSD交換を考える人も多いと思います。
しかし、この時点では原因は何一つ分かっていません。
② ブート領域を疑う
コマンドプロンプトを起動。
【写真2】
DiskPartでボリューム確認。
Windowsパーティションは正常に存在していました。
つまり
SSD自体は認識されている
ことが分かります。
③ EFIパーティションを確認
【写真3】
EFIパーティションへドライブレターを割り当てます。
select volume 4
assign letter=S
正常終了。
④ Windowsフォルダー確認
【写真4】
dir C:\Windows
Windowsフォルダーも存在。
つまり
Windowsそのものは消えていません。
⑤ ブートファイル再作成
【写真5】
bcdboot C:\Windows /s S: /f UEFI
結果
ブートファイルは正常に作成されました。
ここで一歩前進です。
⑥ Windows起動成功
【写真6】
Windowsは起動しました。
しかしPINが使えなくなっていました。
これはブート情報を再構築したことで発生したものと思われます。
PINを再設定すると正常にログインできました。
⑦ システムファイル検査
念のため
sfc /scannow
を実施。
【写真7】
結果は
破損したファイルが見つかり、
正常に修復されました。
やはりWindows内部に破損が存在していました。
⑧ DISM実行
さらに
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
を実施。
【写真8】
正常終了。
再度
sfc /scannow
を実行すると
整合性違反は検出されませんでした。
完全に修復されたことが確認できました。
⑨ CHKDSK実行
最後に
chkdsk
を実施。
【写真9】
結果は
問題は見つかりませんでした。
ファイルシステムも正常です。
⑩ CrystalDiskInfo確認
【写真10】
SSDの状態
- 健康度93%
- 温度41℃
- 代替処理セクタ0
- 回復不能セクタ0
SSD故障ではありませんでした。
⑪ イベントビューア解析
ここからが品質保証らしい調査です。
イベントビューアを確認すると
起動時に
- Application Popup
- Google Update
- Intel Rapid Storage Technology
などのエラーが記録されていました。
しかし、
SSD故障を示すエラーはありません。
また、
前回起動日は6月21日。
Windows Updateも6月21日に適用されていました。
6月21日から27日までPCは起動しておらず、
久しぶりの起動で今回の現象が発生しています。
Windows Updateとの関連性も完全には否定できませんが、
今回の調査だけでは断定はできません。
考察
今回の調査から分かったことは
- SSD故障ではない
- ブート領域が破損していた
- Windowsシステムファイルも一部破損していた
- 修復後は正常動作している
ということです。
品質保証の視点
ものづくりでも同じですが、
現象だけを見て
「部品交換」
をしてはいけません。
まずは
- 現場
- 現物
- 現実
を確認し、
仮説を立て、
証拠を積み重ね、
一つずつ可能性を潰していく。
今回も、その考え方によってSSD交換をせずに復旧することができました。
まとめ
今回のトラブルで改めて感じたことがあります。
品質保証の基本である
「現場・現物・現実」
そして
「仮説と検証」
という考え方は、製造現場だけでなくPCトラブルにもそのまま応用できます。
焦って部品交換をする前に、事実を確認し、原因を一つずつ切り分ける。
その積み重ねが、本当の原因究明につながるのだと改めて実感しました。
