~100%解析~
品質問題が発生したとき、私が常に意識していることがあります。
それは、
「100%解析を目指すこと」
です。
ここでいう100%解析とは、真因が判明するまで対策を行わないという意味ではありません。
市場不良や工程不良が発生した場合、まずは被害拡大を防ぐことが最優先です。
選別、出荷停止、工程監視の強化など、必要な対策は速やかに実施しなければなりません。
しかし、対策を実施したからといって解析を終わらせてはいけません。
なぜなら、真因が分からなければ再発防止にはつながらないからです。
不良解析では、限られた情報から原因を推測したくなります。
しかし推測だけでは、本当の原因にたどり着けないことがあります。
だからこそ、私はできる限り多くの情報を集めます。
現物を確認する。
良品と比較する。
発生ロットを調べる。
未発生ロットも調べる。
工程履歴を確認する。
必要であれば部品メーカーまでさかのぼる。
解析とは、不良品だけを見ることではありません。
不良に関するあらゆる情報を集め、事実を積み上げる活動だと思っています。
そして、その積み上げた事実が真因追及のためのバックグラウンドとなります。
品質は感覚や経験だけで説明するものではありません。
品質はデータで説明するものです。
発生率、ロット履歴、工程条件、解析結果。
それらのデータを積み重ねることで、初めて現象を客観的に理解することができます。
しかし、データは集めればよいというものではありません。
自分の仮説に都合の良いデータだけを集めたり、不都合なデータを無視したりすれば、真因から遠ざかってしまいます。
良品データも見る。
不良データも見る。
発生したデータも見る。
発生しなかったデータも見る。
品質問題において最も避けなければならないことは、事実を見誤ることです。
そして、その原因の多くはデータ不足か、データの解釈ミスにあります。
真因はひらめきで見つかるものではありません。
事実とデータの積み重ねによって見えてくるものです。
だからこそ私は、100%解析を目指します。
それは100%の答えを求めるためではなく、
真因に近づくために100%の事実を集めるためです。
品質はデータで説明するものです。
ただし、データで嘘をついてはいけません。
これもまた、ものづくりの本質の一つではないでしょうか。

