~現場・現物・現実~
品質問題を解決する上で、私が最も重要だと考えているのが、「現場・現物・現実」
という3つの「現」です。
品質不良が発生したとき、多くの場合は報告書やデータだけで原因を考えようとしてしまいます。しかし、本当に重要なのは現実に起きている事象を正しく理解することです。
まず、市場や製造工程で不良が発生します。
それが重大な欠陥であったり、特定のロットで集中発生する傾向不良であったりする場合があります。
これが「現実」です。
現実に起きている問題を正しく把握しなければ、正しい対策は導き出せません。
次に必要になるのが「現物」です。
実際に不良品を手に取り、観察し、解析し、検証することで初めて見えてくる事実があります。
表面的な症状だけで判断するのではなく、
- どこに異常があるのか
- どのような状態になっているのか
- 他の正常品と何が違うのか
を確認しながら仮説を立てていきます。
そして同時に確認すべきなのが「現場」です。
実際の生産工程では何が起きているのか。
作業方法に変化はなかったのか。
設備や材料に変化はなかったのか。
さらに必要であれば、前工程や部品メーカーまでさかのぼって確認します。
品質問題の真の原因は、不良が発生した工程だけでなく、その前の工程に潜んでいることも少なくありません。
現実を見て、現物を確認し、現場を調査する。
この3つを繰り返すことで、仮説は確信へと変わり、本当の原因が見えてきます。
対策とは、原因が明確になった後に自然と導かれるものです。
逆に言えば、原因が曖昧なまま実施される対策は、多くの場合再発防止にはつながりません。
品質問題を解決する近道はありません。
だからこそ、
「現場・現物・現実」
この3つを大切にする姿勢こそが、ものづくりの本質なのだと思います。
品質問題が発生すると、多くの人が会議室に集まり、原因を議論します。
もちろん議論は大切です。
しかし、本当の答えは会議室の中にはありません。
現場で何が起きたのか。
現物は何を語っているのか。
現実にはどのような不具合が発生しているのか。
その事実を一つひとつ積み上げていくことで、初めて真因にたどり着くことができます。
会議室で原因は作れますが、真因は現場にしかありません。
これこそが、ものづくりの本質だと私は考えています。

